「六月の女すわれる荒筵」 という石田破郷の句があるが、いよいよ今日から6月である。本格的な梅雨の季節の到来だ。じめじめした気候がうっとしいこともあるが、僕は案外この季節が好きである。この時期、風ひとつとってもさまざまな呼び方があっておもしろい。「季寄せ」をひらいてみると、まじ、くだり、ひかた、あいの風、だし、ながし、やませ、いなさ、茅花流し、筍流し、麦嵐、黄雀風、土用あい、御祭風、青東風・・・・・まだまだ拾っていけば切がないほどある。「やませ」は比較的知られているが僕がよく使っているコンパクトな「季寄せ」によれば、「5、6月ごろ山越えに日本海沿岸、東北地方に吹く寒い夏風」とある。山瀬風、山背風、梅雨やませなどとも言われる。こうみると日本の気候風土というものは、非常に繊細であり、なおかつ多彩だ。またそれを見事な表現をした日本人の先人たちの感性に感動するものである。僕らも少しはこうした日本人のこころのゆとりを学びたいものだ。
6月1日(火)発売の「サンデー毎日」(6月13日号)に、僕の連載「三国志大陸をゆく-Ⅲ呉之国」が載っている。ぜひ、お近くの書店、キヨスクなどでお手にとってご覧下さい。次回からは、「三国古戦場をめぐる」ということで引き続き連載が10月までは続く予定です。来月は、7月6日(火)発売の7月18日号となります。PRとなってしまいましたが、よろしくお願いいたします。5月に行った四川省西南部や7月にも出かける四川省の旅で撮影した写真もぜひ、使いたいと思っていますのご期待ください。みなさまのご自愛をお祈りいたします。・・・・・・・合掌