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2010年3月11日 フリー写真家に強要する出版社の低価格な「デジタルカメラ関係経費」は許せないぜよ!

 

季節はずれの大雪が日本列島を覆っていたが、ようやく春らしい日差しが戻ってきた。しかし、まだ余寒の日々は続くのでみなさんには、くれぐれもご自愛くださいませ。さて毎年の確定申告の締切日が迫ってきたが今年も僕は、もたもたしていてまだ提出していない。やり始めてはいたのだが、昨年もがんばったのにあまりにも稼ぎのなさに、我ながら情けなくなってやる気が失せてしまったのである。僕の周りの写真仲間も、こぞって不景気風に晒されている。仕事が激減しているのだ。ましてデジタル化の波で写真環境が激変して機材投資に莫大な資金がかかる割には原稿料が逆に安く叩かれている。「このまま写真で食っていけるのだろうか?・・・・」と先行きを心配しているのが現状なのだ。(銀塩派といわれている僕などは一層深刻である)


旧王城の面影をとどめるネパールヒマラヤのムスタン・ジャルコット村(3700m)の雪景色

旧王城の面影をとどめるネパールヒマラヤのムスタン・ジャルコット村(3700m)の雪景色


さらに以前は、撮影してフイルムを渡せば終了だった写真家の仕事が、デジタルカメラになったことにより、クライアントが求めるデータ作りに大幅な時間が取られているのだ。ある写真家は「現在は、撮影は1時間で終わって、データ作りに1日も2日もかかっている。写真家だけでなくて、かっての編集者やデザイナー、製版屋、印刷所の分までの仕事をやらされ、料金は下げられているのだからたまったものじゃないよ!」と怒りをぶちまけていた。(社)日本写真家協会によれば、ここ1~2年の間に大手出版社を中心にフリーの写真家たちに、デジタル処理など「デジタルカメラ関係経費」について一方的な低価格な基準を強要する文書を出しているという。これは言語道断で、こんな事がまかり通れば写真家にとっては”死活問題”となる。早急に(協)日本写真家ユニオンや(社)日本広告写真家協会などのプロの写真家団体と共同して対応していくことが必要であろう。JPSの役員のみなさんの機敏な対処に期待するものである。(本当はこんな話を書くつもりではなかったが・・・・書いてるうちにどうしても書かなければという強い気持ちが湧いてきたのだ。ということで書きたかった「写真と文学風土」については次回に)

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