写真家 小松健一・オフィシャルサイト / Photographer Kenichi - Komatsu Official Website

2009年10月26日 落語で笑い、テクノロジーの映像とインド舞踊を鑑賞し、尺八の音色に耳を傾けた。

この7日間は自宅からほとんど出なかった。最近あまり外出したくない傾向がある。引篭もりというやつか。人が嫌いになったわけでもないが、何故かあまり会いたくないのである。やたらと疲れるのだ。この一週間で一度だけ最寄り駅まで散歩がてらでかけた。それは同郷の編集者Y君が、来年の連載企画をもってきてくれたからである。馴染みの酒場で久しぶりに2人で一杯やった。故郷・上州やシベリア鉄道の旅など今度一緒に取材をしようなどと、芋焼酎の一升瓶を前に盛り上がったのである。


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さて、7日ぶりに都内に出たのは、立川志遊師匠の第42回志遊の会「しゆう同窓会」に顔を出すためである。僕はあまり笑わない男であるが、昔から落語がやたらと好きであった。人は意外に思うらしいが、以前はいくつかの寄席の常連会員でもあった。多い月は3~4度噺を聞きに足を運んでいた時もあった。今回の出演者は志遊師匠の高校時代の先輩、桂春雨師匠と大学時代の先輩、寒空はだか師匠の噺家2人をゲストに招いての鳴り物入りのにぎやかな会であった。ちなみに出身校の小石川高校のOBには、今をときめく鳩山首相や民主党小沢幹事長もいるのだそうだ。


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前座は、いま絶大な人気を誇る立川談春師匠の弟子立川こはるさん。美少年のような可愛らしい女性噺家、将来性のある切れのいい噺ぶりであった。半年分ぐらい大笑いしたのは、春雨師匠の上方落語。奥方の生の三味線入りなのが一層噺を際立てていた。いわゆるツボがはまったというヤツである。あまりに笑い過ぎて涙は出るは、鼻水は出るはで、タオルを出しての大変な騒ぎであった。志遊師匠の出し物は御馴染みの「饅頭恐い」と「富久」。真打になって更に芸が研きこまれたという印象を持った。さらなる精進をと願うばかりである。終了後、出演者たちと楽屋で一杯やった後、恒例の打ち上げにでかけた。(「第43回志遊の会」は2010年1月21日19時~、日暮里サニーホール)


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この日、いま一ヶ所廻ったのは、「金大偉映像空間インスタレーション展・幻視の風景」である。映像と音による幻想夢空間を銀座のジェイトリップアートギャラリー(03-3571-7818)で11月1日まで展開している。その特別ライブイベントがこの日あったのだ。金君の他に尺八の原郷界山さん、インド舞踊の山元彩子さんをゲストに、中国、インド、日本より喚出する融合の色彩をテーマにアジアの空間を演出していた。中国満州族出身の金君とは不思議な縁でつながっている。「また二人でコラボレーションをしたいね」と握手をして別れた。

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