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2009年10月17日 秋気澄む多磨霊園へ。吉川英治、北原白秋、三島由紀夫の墓参もした・・・・・。

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僕は、かれこれ20年程前に朝日新聞社から全日本写真連盟の関東本部委員という役を委嘱されている。当時、一緒になったのは、先年亡くなった佐藤明さんと大石吉野さんだ。僕は、ほとんど何も協力はできてないが、毎年開く「全日本写真連盟関東本部委員展」という写真展にはできる限り出品してきた。その出品者懇談会が朝日新聞東京本社で行われたので、本社ロビーのコンコースで開催されている写真展を見るかたがた参加した。会には理事長の田沼武能さんをはじめ多くの写真家が出席していたが、あいさつをすまし、すぐに退席して朝日新聞社から新橋演舞場の前を通って、歌舞伎座を抜け久しぶりに夜の銀座界隈を散歩してみた・・・・・。


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翌日、秋気澄むこの日、春のお彼岸以来、行ってなかった多磨霊園へ行こうと思って出かけた。実は小松家の墓は、代々多磨霊園にある。17年前に親父が亡くなったのを機に、おふくろが墓参しやすい様にと田舎の家の近くに墓を作り遺骨を移したのだが、僕が持っていた親父の遺骨を分骨して多磨墓地にも入れてあるのだ。それでこうして年に2度ほど、お参りしているのである。一応僕が小松家の当主となっているので、この墓地の名義人となっている(写真を見てのとおり墓石もないが・・・)。大体、親から何一つ譲ってもらった記憶はないが、唯一この小さな墓地だけは、親父がまだ元気なときに、書類を手渡され頼むと言われたのだ。


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ご存知の通り多磨霊園は、日本最初の公園墓地であり、その歴史は古く、1923(大正12)年に開園されている。僕の家の墓は小金井門といわれる裏門を入ったすぐそば、その面積も猫の額ほどもないが、近くには菊池寛、中山晋平、亀井勝一郎、吉川英治、田山花袋、三島由紀夫、北原白秋、有島武郎、与謝野晶子、鉄幹、堀辰雄、向田邦子、江戸川乱歩・・・・などなど著名人を上げていけば切がないほどりっぱな墓がある。他に東郷平八郎や高橋是清など軍人、政治家たちも数え切れないほど眠っている。特に軍人、政治家の墓地は家が建つ程の広さである。12月からすでに20年間取材を続けている「三国志」の史跡を巡るために中国へ行くので、吉川英治の墓に参った。簡素で清清しい墓であった。近くにあった白秋、三島の墓参もして夕暮れの家路についた。

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