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2009年8月5日 花火よりもドラマチックだった東京湾岸の夕景

先日、久しぶりに花火を見たと書いたが、あれは遠くから眺めたという程度だった。今回は知人たちに誘われて本格的に花火大会を鑑賞する会に参加してみた。僕は、画家の山下清ほどではないが、花火が好きで以前はよくでかけたものだった。隅田川の花火は毎年、出版社の社長の招待で本当に打ち上げの直ぐ前で見れるという特等席だった。しかしこれは花火保険に加入しないと参加できないことになっていた。確か一人1000円だった。一度「未来図」主宰の鍵和田柚子ご夫妻とご一緒したことがあった。その時に白扇に彼女が揮毫してくれた句は「 待乳山したたりやまぬ花火かな 柚子 」である。いまも記念として大切にしている。その他、晴海ふ頭でおこなわれる東京湾花火や多摩川の花火、神宮外苑の花火などなど写真や俳句仲間たちとよく出かけていた。


しかし、ここ10年ぐらいは見にいくこともなかったが、つい先日、抽選で貸切船から花火大会を鑑賞する席が当たったので来ないかと声がかかったのである。太宰の本の原稿も最終段階までいき、ちょうど暇だったので参加してみたのだ。夕刻、隅田川を出港して1時間半余りを東京湾岸をゆっくりとクルージングして、荒川の花火大会会場に到着。あたりは百艘をこえる提灯を燈した屋形船などがひしめいていた。花火は4000発というからそれほど大きな大会ではなかった。しかし、この日は雷・暴風雨注意の予報をうらぎって夕刻から一気に晴れて西の空は夏雲が広がり何ともドラマチックであった。正直、僕は花火なんぞよりもはるかに東京湾岸の夕景の方にこころを奪われたのであった。みなさんにご報告しなければならないので写真は撮ったが、写真から少しは僕の心情をご理解いただけるでしょうか・・・・・・。


浴衣姿で隅田川の夕景を見つめる少女。

浴衣姿で隅田川の夕景を見つめる少女。


東京の夕暮れもまんざらでもないね。こうして見ると東京はいまも水の都であることが実感できる。

東京の夕暮れもまんざらでもないね。こうして見ると東京はいまも水の都であることが実感できる。


荒川に浮かぶ船の上から見た江東花火大会の光景。

荒川に浮かぶ船の上から見た江東花火大会の光景。

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