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2009年5月21日 創立27年を迎えた「写真集団・上福岡」

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埼玉県ふじみ野市を本拠地として活動をしている「写真集団・上福岡」は、今年で創立27年目を迎える。この会は、最初は市の肝いりで、当時、市内に一つも写真のサークルがないなか、公民館活動の一環として写真教室を4年間続け、その終了生たちが結成したものだ。僕はその頃まだ、写真家になったばかりの駆け出しであったが、上福岡市の依頼で講師となった。以来の付き合いだから、もう30年余。この会は、僕のプロ写真家としての歩みを共にしてきた伴走者みたいなものである。

「写真集団・上福岡」は、毎月欠かさず例会を開き、毎年、写真展を開催して26回を重ねた。弟10回記念展は、渋谷のドイ・フォトプラザでおこなった。女性のメンバーだけの写真展を開催したり、個展や作品集の刊行などもしてきた。数々のコンテストの賞も受賞している。いままでの延べ会員は、1000名を超え、会のなかで知り合い結婚した人、鬼籍に入られた人など、様々な人間模様があった。僕もメンバーの仲人をやらされたこともあり、今ではいい思い出である。新公民館の建設を推進して、写真の暗室を作らせたりするなど、この地域においては、いまでは大きな影響力を持つ写真クラブへと発展してきたのである。

僕はこの会の顧問ではあるが、会の運営には一切口を出した事はなく、総会にも参加したことはない。誰が役員になったかも後で知らされる。つまり会の運営は全て会員にまかせ、僕は写真の指導だけに、この27年間専念してきた。だからこそ、教室から数えて31年間という長い歳月を続けてこられたのだと思う。第3回展から2代目の会長としてやってこられた、柴田格一元会長は現在84歳だが、お元気に毎回例会に参加している。「いま、撮影している大樹をまとめ個展と作品集を出すことが今年の目標ですよ。先生頼みますよ」などと逆にいつも僕が励まされているのだ。小さな地域での小さな写真サクールではあるが、僕は地域に根付いた草の根の文化活動とは、「写真集団・上福岡」みたいなものではないかと、ちょつぴり誇りに思っている。

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「写真集団・上福岡」のメンバー。毎回白熱した合評が行われる。例会において、自分の推す作品を5点ほど選び、その得点が加算されて12月に年度賞作家が決まる。(5月21日例会にて)

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