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2009年4月29日 太宰治の終焉の地、三鷹を巡る

ネパール・ポカラ空港から夜明けのヒマラヤを望む(2008.9)
ネパール・ポカラ空港から夜明けのヒマラヤを望む(2008.9)


太宰が故郷・津軽の金木を除いては、一番長く暮らし、終焉の地となった三鷹周辺を巡ってみた。この日は昨日の強風雨が嘘のような五月晴れ。玉川上水を撮影するために最初に降り立った新小平の駅前は、ほころび始めた藤の花の香りが漂っていた。新緑の玉川上水をどうしても川面に下りて撮りたかったので、いろいろと探した結果、一箇所だけあり、それが小平にある監視所の近くだった。遊歩道になっていてイメージとは大分異なったが、かっての上水の面影はあり、若葉に降り注ぐ木漏れ日が綺麗だった。 その後、この日助手を買ってでてくれた写真家の塩崎亨君と三鷹に向かい、新潮社の編集者と合流。当時のままで残る三鷹の跨線橋をはじめ、いわゆる太宰と関わりのあった場所はほとんど巡ってみた。実は、僕が太宰をはじめ、日本の近現代文学の風土を取材開始したのは30数年前、その頃にしっかりとこの三鷹周辺を撮っていればとつくづくと思った。とくにここ10年余りの街の変貌には、愕然とせざるを得なかった。夕暮れせまる井の頭公園を抜け吉祥寺まで歩いて、この日の取材は終えたが延べ6時間以上は歩いた。久しぶりのいい運動になった。駅前の沖縄料理の店に入って、塩崎君と島(泡盛のこと)を一杯やったが、乾いた喉に沁みて美味しかった。石垣の白百合、伊是名の常盤などなかなか渋い泡盛を置いていた。小さな店だったが気に入った。心地よい酔い。さて写真はどうか?・・・・・・

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